黒糖焼酎とたんかんの奄美

2000年も幸先いい始まりでした







 「すみません。羽田まで大急ぎでお願いします。」
 前日までの残業でものの見事に寝坊した(笑)僕は新宿までは電車で出たが、もうどうやっても間に合わず、一縷の望みを託してタクシーに飛び乗った。タクシーは首都高速をすっ飛ばす。朝の5時20分過ぎ、土曜のこの時間はさすがの首都高速も混んでいない。間に合うか、きっと同じ道のりを走っているリムジンバスに追いつけば間に合うはずだ。しかし、そのリムジンバスがなかなか見えない。でも、もうやきもきしても始まらない。後はタクシーの運転手さんに任せるしかないのだ。とりあえず、鞄の中から行きのエアチケットを取り出して握り締めた。6:30発JAS奄美大島行き549便。

 こうして2000年初のダイビングは始まった。



 ことの始まりは1999年のラストダイブにあった。サイパンで一緒になったマリンスティションの方に「2月に奄美でダイビングフェスティバルをやりますけど、どうですか?」と誘われたのだ。奄美はまだ一度も行ったことがない。しかも、仕事の状況を見るとどうも3月にシパダンなんか行ってられない。こりゃ、いっちょ行ってみるか、ということで水道橋の海洋レジャー観光に顔を出したのであった。
 日程は2/19〜22。今手がけている仕事はきつい。面白いことは面白いのだが、きつい(笑)。しかし、なんとか終わらせなければ行くことはできない。青い空からサンサンと降り注ぐ南の太陽の陽射しと白い砂、心地よく頬を撫ぜる海からの風、それだけを夢見て仕事に注力した。


マリンスティション ファーストインプレッション(笑)  風にあおられるサーフボードを空港の係官が追っかけていく。それを見つけたサーファーたちが自分たちのボードを確保するために風雨の中を駆け出していった。そう、空港で僕を待っていたのは時に横殴りとなる雨と風だった。出迎えの車に乗ったのは僕を含めて4人。フェスティバルというから大人数かと思ったが、そんなことは無かった。(東京のダイビングフェスティバルと期間が重なったからと後で聞いた。)車に揺られること、約3時間。その間、いろいろ教えてもらったけど、ともかく僕以外は常連さんでちょくちょく来ている人たちだってことがまずわかった。それに宿の場所が他から離れていて、街に買い物なんて気軽に行けないこともわかった。あとは野となれ、山となれ。3人の話を聞きながらいろいろ想像しているうちに、車は古仁屋の町を過ぎ、って窓の外を眺めていると「あの桟橋と山の間に見えるのがマリンステイションだよ」と声がかかる。視線をのばすと小さな山に挟まれたところからオレンジ色が鮮やかな建物が見えてきた。

 「午後のダイビングはやるかやらないか未定です。3時頃にはわかると思いますのでそれまで部屋で待っていてください。」ホテルのフロントで支配人にそう言われ、ともかく部屋に落ち着くことにした。確かに外は吹き振りなのだ、こんな天気ではダイビングどころか外へも出たくない。窓にバチバチ当たる雨の音にだんだん意識を無くしていく僕であった。だって眠いのだ。と、電話のベルにたたき起こされる。「3時半に出発しますので用意をお願いします。」窓の外を見ると風が止み、雨ももうほとんど止みかけていた。部屋でセットアップ、ホテルの裏に集合して桟橋へ。タンクセットをして乗船、ポイントまではあっという間だった。こんなに近いのは嬉しい。




 2000年お初は「清水(せいすい)」。

ケラマハナダイの根まで降り、根の回りをめぐる。ガイディングの方法がつかめず、うろうろしていこれってセジロノドグロベラ?たが、どうやら、野放し方式。自分で魚を見つけていったりきたりしてエキジット。海中も寒かったが、上がると風のせいでもっと寒かった。

 その日の晩は夕食後、宴会場に集まってマリンステイション奄美の松尾さんのスライド&レクチャーとなった。フェスティバル前半組(2/17〜20)と後半組(2/19〜22)が一緒になる日なので大盛況(それでも人数少ないそうだが)。スタッフも総出で前半組のフォトコンや大抽選大会で盛り上がり、黒糖焼酎の加計呂麻も振る舞われて、いつの間にやら時計の針は12時を回り、、、。その晩、爆睡したのは言うまでもなかった。



ヒオドシベラ




 2日目も雨混じりの天気だった。しかし、ニューアイテムを入手。それはレンタルハウジングだった。うーん、モーターマリンくん、ごめんなさい。その日のログにはこう書いてある。

 安脚場
『ハウジングレンタル!これはかなりまずい(笑)。砂地から砂地に沿って岩場へ。カクレクマノミ、セジロクマノミを狙うも、カクレは本当にカクレてしまって、結局、撮れずじまい。ツバメウオが10匹ほど表層部を漂い、漂いしている。初めてのハウジングはCX−600、EOSKissに28−80mm+YS60という構成。何をどこまで撮れるのか、今一、把握しきれなかった。カゲロウミノガイが砂地の平たい岩の下に大4、小2も隠れていて、岩をめくるとピューーーーーーーーーっと散っていく。それを狙うカメラ屋さんたちのストロボの嵐。YS30をつけている人が複数いてスレーブも一斉に(^_^;)。モンダルマガレイ、アンカリング場所に戻ってきてモンハナシャコにクワドリカラー(砂地にいるのはあんまり見たことがなかった)クワドリカラー、久しぶりに36枚撮りきる勢いでした。』

 そう、ツバメウオが眼前にゆったりとしているなんて、海外でしか経験がなかった気がする。あなどりがたし、奄美、恐るべし、鹿児島県(^_^;)。そして、そして、

 ネオンポイント
『ハウジングレンタル!!。アンカリングした根にアカククリの幼魚、ヒレナガネジリンボウ、クニエイにハナミノカサゴ。それよりなによりハナヒゲウツボ。きっと2度目だったかと思う。(1度目は小笠原だったかと・・・)パシパシ狙ったけど、、、。もうちょっとゆっくり狙っていたかったが、それは贅沢か。根に戻ってミナミホタテウミヘビらしき頭。ボートの下は、サンゴ畑。上をふわふわと漂いつつ、目をひくものをシューティング。しかし、まだ、ハウジングで撮れる、というか、28−80での最適の大きさの被写体と距離がつかめない。』

 アカククリの幼魚もかわいかったけれど、何より何よりハナヒゲウツボ!もう少し観察していたかったけれど、いかんせん気づくのが遅くて(根の反対側でハナミノカサゴなんか(なんか!)撮っていたりして、ああ、もう、もったいない。あせっていたせいか写真もあまりきれいでなかったのがこれまた残念(T_T)。

 この日は団体さんが入ってきていて、ホテルから裏手のマリンハウスに部屋の移動となった。前日はツインベッドルーム、大阪から一人来て相部屋となっていたが、今日は一人部屋の和室となった。機材広げていろいろセッティングするには畳の部屋の方がなにかと好都合。ちゃんとエアコンとTVもついていて、その点でも全く問題がない。風呂、トイレがないが、どうせ、シャワーだけだし、あ、ドライスーツの人はちょっと問題なのか、どうしてるんでしょうね?晩は前日とはうって変わって小人数。スタッフの方が人数が多いくらい(^_^;)。しかし、盛り上がりは全然負けていない、というか、変な方向で盛り上がる盛り上がる(笑)。この日もいつの間にやら12時をまわっていたような気がする(それすら覚えていないという(^_^;))。

ツバメウオくんたち



ヤゲン浜から加計呂麻島を望む


















ハリセンボンつんつん

 そして、翌21日は、待望の晴れ間!思えば奄美で初めて見る青空。晴れるとさすが南マリンスティション正面国。ホテル前のヤゲン浜もいい雰囲気をかもし出す。こりゃ、海の中も明るいだろうし、いい1日になりそう。向かったポイントは

 三角岩
『晴れた!バックロールでエントリーすると思ったよりな、流れている、エキジットラダーにぶつかる。気を取り直してアンカーロープを使って海底に。すぐにエラブウミヘビ。全然気づかなかった。指さされてびっくり。キンチャクガニを求めてみんなでそこいらの岩をひっくり返すも、結局は見つからず。ムチカラマツについているムチカラマツエビを撮ったり(ハウジングよりC-900ZOOMの方が大きく寄れる(笑))カクレクマノミを撮ったり、そろそろ、エアが、と思った頃に今の深度より5m位下にムチヤギがたくさん、、、きっとガラスハゼがいるんだろうなぁ、と後ろ髪を引かれながら浅場のサンゴの上に上がっていった1本でした。』

 ジャナレ
『やった。請島までの遠征。ニラミハナダイにニセモチノウオ、個人的にはハリセンボンをつんつんと。ユカタハタにスカテンジク。ヒオドシベラの幼魚。クロユリハゼはちょうどいい距離で逃げ回られた。スミツキトノサマダイに、えーとえーと、ともかくわんさかいるので、今度行くときまでに、よく見られる魚を覚えていかないと面白みが半減することが良ーくわかった。』

 ダイビングフェスティバルでは普段、大島海峡あたりのポイント(マリンステイションがある奄美大島と加計呂麻島の間の海峡)ばかりという話だったが、海況の良さ、小人数なこともあってジャナレまでの遠征をしてくれたのだと思ってます。感謝。(もう一つ思うこともあったのだけど、それは考えすぎかもしれないので、、、)
 マリンステイションのダイビングは距離を泳がず、(泳がなくても魚影が濃い!)ポイントポイントでのガイディングで普段は見える範囲ならどこで何していてもOKといった感じで、最近の自分のダイビングとあっていて、居心地がいい。

ムチカラマツエビ by C-900Zoom



     嬉しかったです(笑)  晩はフェスティバルということで後半組のフォトコン開催!!(参加者4名(^_^;))物かげからにんまり グランプリ受賞作品(笑)
そしてなみいる強豪の中、三角岩で撮ったカクレクマノミが、恐れ多くもグランプリいただいちゃいました。賞品はなんとフィン!!ラッキー。喜んでいると宴会場が急に暗転。なんだなんだと思っていたら、ケーキ入場!!!誕生日のお祝いを密かに計画していてくれたのであった。バースディソング歌ってもらって、ローソク消して。とても嬉しかったです。わざわざ車で30分近くかかる古仁屋まで行って手にいれてくれたケーキはおいしいという評判通り。感謝感激雨あられ、天気も晴れてくれたし、久しぶりのいい誕生日でした。みなさん、ありがとう。



 そして、明けた最終日、天気はどうかと思えば、またまたときおり小雨混じりといったエキジット後にお湯をかぶるの図(^_^;)状況に逆戻り。奄美ってこの時期、前線が発生するあたりなんだろうか?周期的に天気が悪くなる感じ。19時の飛行機で帰るということで、最終日は1本で終わり。ポイントは、

 嘉鉄
『いよいよ奄美ラストダイブ。少し雨がパラついていたけど、Go!Go!!砂地で(白いのよ、もち嘉鉄の根ろん)根がポツンポツンとあるところ、こういうところは大好き。白い砂の上をポワーーーんと泳いで、根の回りをぐるぐるめぐって。またまたのほほんダイビングなのであった。』

 午後になってなんとか雨も止み、パッキング&まだ残る人達の午後のダイビングを見送って、またまた車中に。3時間の旅が始まる。帰りは海洋レジャーの祖父江さんが一緒だったので、おいしい鶏飯(「けいはん」と読みます)を食べましょう。ということで名瀬の街を過ぎて途中の大倉食堂に。鶏飯は初めて。白飯にいろいろな具をのせて濃厚な鶏スープをぶっかけて食う。豚の角煮とともに4人でシェアして頼んだのでスープはテーブルコンロで出てくるし、角煮もとろけるほどよく煮込んであるし、これは拾い物(なんて失礼な(^_^;))。腹もくちたし、名瀬を過ぎているから空港まではもう間近。土産物屋をひやかして、またまた雨の中、奄美の空港を飛び立って、海ほたるにまっすぐ伸びるアクアラインを見て、ひとときの休息は無事幕を閉じた。




 なぁーんて幕切れだといいんだけど、張り詰めた気力が帰ってきてとけたのか、久しぶりの東京の空気が悪かったのか、インフルエンザでひっくり返ってしまった僕なのでした。
 かっちょわりぃ(^_^;)




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